2014年3月21日金曜日

レモン

レモン、て響きがとてもすきで、言うならば、ドレミ、と似たような心地よさがあるようにおもう

修行をはじめたばかりの夕焼けっぽい見た目も美しいし、切り口の断面も好きなひとの横顔みたいに感動するものがあるし、なんせファーストキスの味だというのだから魅力的であって当然だとおもう


(だいぶ前に撮ったパスタの写真がふと出てきたので、レモンも添えられてることだしここで使う)


しばらく泣いてばかりいた
泣いても泣いても止まらない涙のメカニズムが可笑しくって、不思議でたまらなくって、いたって冷静に「涙 出る理由」とか「涙 メカニズム」とかを検索していた日々だった

でも調べた結果なんてなにひとつ頭に残ってはいない

いいやつ、なんかになりたかったわけではない。いいやつなんかじゃなくてもいいから特別になりたかったとおもう
彼のことは、私の方がよく知っているんじゃないかとおもっていた

暖かい春の日に風を受ける長めの髪も、Tシャツの袖で汗を拭う少年っぽいところも、夕暮れが似合う猫背な後ろ姿も、冬が似合う優しいすべても、たぶんその時は私が一番知っていたとおもう

だけど、いまはもうわからない

彼がどんなふうに幸せに過ごしているかなんて、私にはこれっぽっちもわからない

たまに流れてくる美しくない噂と、たまに思い出す美しい横顔が頭の中をぐるぐるとかき乱しているのがわかる


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